浜辺に集まった皆、スイカを抱えて笑っているのは真実だ。かわりにスイカのかわりに収まってるのは太郎だ。しっかりさるぐつわをされて…

 割る役は早苗さん。子供があるとは思えないマッシブバディは未だ衰え知らず。プロレスラーでも裸足で逃げ出す太い腕に握られたバットが可哀相なくらい小さく見える。3m近い高さに振り上げられたバットに早苗のパワーがのって落ちて来る。

「んん〜〜〜!!ンン〜〜〜!!」

 必死にもがく太郎。エリカ達は心配そうに見守る。もしも当たったら本当にただではすまない。周りのギャラリーもどよめく。その声で太郎のうめき声も聞こえない。止めようにもマッシブな超肉体な女性達を目にしては、とても止められない。

 真実は確実に太郎に誘導する、早苗も着実に正確に近づいている。太郎の目の前に立ち止まると、バットが振り降ろされた…!

ペコンッ

「あた〜〜リ〜〜♪」

 振り降ろされたプラスチック製のバットは適格に太郎の頭にヒットした。

 振り降ろし方もおっとり早苗さんらしい。しゃがんでから軽く振り降ろす。たとえきつく振り降ろしても軽いプラスチックのバットはダメージにならない。

 計画したのは真実だ。最初は単純に、一撃でスイカを壊してしまうのはもったいないとプラスチックのバットに変えた。そして、そのことを知らない太郎を換わりに埋めたのだ。

「あら?太郎君?」

 ほっとするやら盛り上がるやらの周囲を他所に目隠しをとった早苗さんは恐怖で失神しかけている太郎を見つける。

「ほんとにそんなことしないよ〜」真実がフォローする。「ホントにやるならバットなんか使わないものね♪」紗耶佳が意味深な発言をする。

 

「も〜皆、太郎くんいじめちゃだめじゃない」

 周りをたしなめながら太郎を砂から出す早苗、しかしそれも太郎は抵抗する。しかし早苗のパワーで軽々と引き抜かれる。

「あ;」

 なんと太郎は裸だった。しかもさっきの恐怖で失禁していた。目が点になる早苗。恥ずかしさで泣きそうになる太郎。二段どっきりが決まって笑う真実。戸惑う周囲。

 早苗は驚いたが状況をすぐに把握し、その大きな手で抱えるように太郎を抱くと更衣室に連れていった。そして太郎を着替えさせると真実をこんこんと叱ったのでした…

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